世界でも最も豊かな国であり、また格差があるとも言われるアメリカでは幼児教育 についても様々な選択肢が用意されています。また、その中でアメリカがいかに幼 児教育を重要であると考えているかが分かります。
裕福な家庭やそれなりの所得がある一般家庭では、私立や公立の幼稚園やあるいは 家庭教師などを利用しているところがほとんどです。感情、認知、運動などあらゆ る分野で、バランスのいい発達を目指すべく教育が施されています。
そして、低所得者層向けには「ヘッドスタート/Head Start」と呼ばれる就学前のプ ログラムを政府が提供していまして、このプログラムはなんと1人の子供に対して7,222ドル あまりの予算をかけて、就学前の子供たち約2,200万人(2005年下半期)規模で行われ ています。
この累計6,800億ドルの予算というのは、日本の2007年度予算の一般会計の総額81兆円 とほぼ同額レベル、また、アメリカの政府主体の予算規模では宇宙開発に次ぐ規模であ ることからも、アメリカ政府がいかに「幼児教育」について重要であるかを認識してい るかということが分かります。
ヘッドスタート・プログラムは低所得者層の家庭や移民家庭の幼児の健康な発育、発達、 学習などの支援を目的として行われており、さらにそのプログラムの理論には多くの専 門家の知識が反映されており、質の高いサービスを提供していることでも知られています。
では、ヘッドスタート・プログラムを簡単に紹介したいと思います。
まず、カリキュラムはそれぞれの子供に適切なものが設計され、そして、自尊心、自信、 好奇心、および自己規律を持つことを奨励します。そして、親がこうしたプログラムを 理解し、中心的な存在になることで高い効果を実現させます。
多くの子供がこのプログラムを経て、健康に育ち、読み書きなどの実践的なスキルを習 得することが可能になっています。
ただ、ヘッドスタート・プログラムは全てが上手くいっているというわけではなく、 行動抑制ができない子供を育てたり、行動に問題がある子供を育てる可能性がある といった声もわずからながらあるようです。
ただし、そうした面を考慮したとしても低所得者層や移民の家族の多くの子供が経済的な 理由により幼児期の段階で満足な教育を得られないという不均衡をアメリカ政府が主体と なって改善しているということは、非常に価値の高いものであると言えるでしょう。
また、実際にヘッドスタート・プログラムが多くの子供の健康な発育、発達、学習に大き な功績を残して生きているのは明らかであると考えられます。
<まとめ>
アメリカが幼児教育に大きな予算をかけていることからも、その重要性はお分かり頂けた かと思います。
日本では、共働きの世帯も多いと思いますが、幼児期の子供への教育にできるだけ関わり、 そして、「好奇心」「自己規律」などを子供に主体的に学ばせることが重要であるという 考え方はは非常に参考になるのではないでしょうか。